ここ数年、扇子を使う需要が増えています。それに伴い、扇子の開き方や閉じ方にこだわる人も増えています。
何故なら最近、若い人の間でも扇子を持っている人が増えている様に感じます。
もちろん、お年を召した方の間でも、今まで以上に扇子が活用されていますね。
数年前までなら、専門店やオリジナル制作を行わなければ手に出来なかった扇子が、今では100均でも販売されていますから。
そんな理由から、扇子を簡単に入手出来る様になった為、きちんとした開き方や閉じ方を知りたい方が増えているのでしょう。
そこで今回は、扇子にとって優しい開き方と閉じ方についてご紹介します。
扇子にとって正しい開き方、そして閉じ方とは優しさを意識した物です!
まず、扇子にとって『正しい開き方』の定義をはっきりしておきましょう。
まずは優しく使う事です。万が一にも破れたり、要が壊れたりしない開き方です。
扇子を構成する各部位は壊れやすい物です。扇の面は通常、紙ですし、骨をまとめているのは要部分のみです。
また、扇子の骨にしたって、非常に脆い物です。大抵の物は折るというよりも、チギろうとすればチギれます。
ということで、まずは正しい扇子の持ち方から。
右手は下方、要付近を包むように、左手は中央部、この付近の親骨を包むように持ちましょう。
扇子にとって優しい開き方は?そして閉じ方は?
扇子にとって優しい開き方とは、両手で最後まで開くことです。
ゆっくりと開いていくことで、扇子には負担がかからずに開くことが出来ます。
実際に試してみましょう!
もし今、お手元に扇子がある場合は、ご用意をして下さい。
右手を要部分に添え、左手を中央付近の親骨に添えます。ポイントは、右手(主に右手首)を動かし、左手はあくまでも添えるだけとします。
写真の様な指の配置で固定すると、右手首をすっと動かすだけで、扇子がパラパラと開いていきます。
後は扇子を開くだけになります。
- マナーに注目!
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扇子を使う時のマナーとして、男性女性、右手親指の置き方に違いが生じます。
男性であれば、右手親指を外側に向けて扇ぐことを良しとしますが、女性の場合は、右手親指は自分側に向け、外側には手の甲を向けるのがマナーです。
男性の持ち方
女性の持ち方
実際にやってみると、女性の方は扇ぎにくいことがわかります。
なお、扇子を使う時は、完全に開ききらないのもマナーの1つです。
女性の持ち方で扇子を扇ぐ場合、完全に開くと使いにくい事が分かります。
続いて、扇子にとって優しい閉じ方をご紹介しましょう。こちらは右手の腹部分で要を隠す様に置き、左手は中央付近で親骨を持ちましょう。
左手
右手
閉じる時も勢いはいりません。ゆっくりと右手だけを動かします。
感覚としては、人差し指第二関節付近の腹で押し始めると、スムーズに扇子が閉じていきます。お試しください。
左手は固定に使いますが、個人的には、左親指の根本で扇子の親骨を固定するのが一番ラクでした。
固定する置き方に関しては、各個人で色々とあるかと思います。
問題は優しく閉じることなので、この点を念頭に置いて、扇子を閉じてみてください。
以上が、優しい扇子の開き方・閉じ方になります。実際にやってみると簡単ですよ。
続いては、片手でカッコよく扇子を開く方法をご紹介します。5回ほど行えば、スムーズに開けるようになると思います。
かっこいい扇子の開き方とは?コツは瞬間的な指移動?
特に扇子を使う若い人は、かっこいい開き方にこだわるようです。
そこで、扇子のかっこいい開き方として、ちょっと開いて、手首のスナップで「バッ!」と開放する方法と、右手親指でグインとして「ヴァッ!」と開く方法をご紹介します。
なお、どちらの方法も決して扇子に優しい方法ではございません。お試しの際は、くれぐれもご注意ください。
2時間サスペンスの昭和風刑事パターン
右手親指で軽くスライドし、扇子を開きます。
この時、しっかりと扇子を開くのではなく、少し余裕を持たせてておきます。
扇子全体から見て、中央付近よりやや下方を右親指と人差し指でしっかりとグリップし、手首をスナップ!バッ!という音を意識して開きます。
なお、少しでも手首のスナップを戻すと、扇子が閉じてしまいますので、行ったっきりにしましょう。
また、完全に開ききらない場合は、気づかれない様に指で開きましょう。
この『2時間サスペンスの昭和風刑事パターン』は、あまり上手く開ききらない方法だったりします。
また、ちょっとした反動で閉じますので、練習をちゃんとしましょう。
粋な扇子さばきがクールでしょパターン
この方法は、指の使い方を理解する必要があります。細かく説明します。
右手親指、人差し指、中指の3本の指を使います。
親指と中指が対立関係となり、人差し指は要を中心に支える感じです。
開きやすい持ち方は、親指が要やや上、人差し指が親指と反対の位置に置きつつ、要付近に添え、中指は第一関節付近の横腹で、人差し指側の扇子下辺を支える形がベストです。
なお、指の長さにより、指のポジションは変わります。
また人差し指は、親指と反対側の要付近の置きますが、要がある位置を全体的に支えているイメージを持ってください。
後は中指を支点とし、親指と人差し指を空でこする様にして、扇子を「ヴァッ!」と開くだけです。
最初は戸惑うかもしれませんが、練習することでスムーズに行えるようになります。
当社ではオリジナル扇子を作れますので、それに見合った使い方をしたいなーとお考えの際は、今回ご紹介した開き方や閉じ方をご参考にして頂ければ幸いです。