紙扇子とわざわざ表現することは余りありません。
何故ならば、一般的に制作されている品は基本的に紙製だからです。
しかし、扇子工場ではフルオーダーメイドのメニューとして紙だけではなく、布を素材とした製品も作成することができます。
その為、あえて今回は紙扇子を取り上げます。
あくまでも一般的に使用されている素材なので、各種オリジナル制作の際に役立つ情報だと思います。
定番の紙扇子だから出来る両面貼りについて
紙扇子は布とは違い、両面貼りをすることが出来ます。
もちろん、布扇子のような片面貼りにも対応しております。
安価で仕上げたいのでしたら「片面」で。記念品や贈答品として活用するのであれば「両面」でと、製作目的に応じて面の貼り方を選択して頂けるのが、定番である紙扇子のメリットの一つです。
フルオーダーメイドと親骨名入れ制作の違いは?
紙扇子は、フルオーダーメイド作成も行えますし、親骨への名入れを行う手軽な制作も可能です。
フルオーダーメイドであれば、素材選びから、骨の本数、サイズ、デザインなど幅広く決定することが出来ます。
親骨名入れでしたら、既製品として激安販売されております扇子をもとにして、骨に屋号やお名前などを印刷して作成いたします。
いずれも、オリジナル制作を十分に楽しめます。
こうした自由度の高いオリジナル性は紙扇子ならではの物です。
特に親骨名入れを選択した場合、布扇子は既製品としてラインナップされている種類が少ないため、紙扇子ならではのメリットだと言えます。
紙扇子のメリットとデメリットとは?
紙扇子には良い面ばかりではなく、悪い面もございます。
紙扇子の作成や活用する上でデメリットとなる点、メリットとなる点をご紹介しましょう。
- 紙扇子のデメリット
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- 耐水性に乏しい
- ちょっとしたことで破れる
- 物によってはチープに見える
紙扇子は当然ながら、水に濡れると破れやすくなります。
屋外で使用されることがまったくないとは言えない扇子ですから、この点はご注意頂きたいと思います。
また、和紙と言っても紙なので、「ピっ!」と引っかかることで割と簡単に裂けてしまいます。
普通に使用されている分には裂けることはありませんが、破ろうと思えば裂けることは忘れないようにして頂きたいです。
物によってはチープに見えるとは、近年の販売価格からみてもそれは明らかであり、現在では100円均一でも扇子が販売されております。
こうした商品は、しっかりとプリントされてはおりますが、やはりチープな印象を受けます。
また、紙扇子は自然な紙焼けを起こしてしまいますし、手の汚れが紙に移ることもあります。
こうした状態になった扇子を使うと、安物のように見えてしまいます。
紙扇子のデメリットは布製であれば、防ぐことも出来る可能性があるものなので、これは紙の欠点と言えます。
- 色彩が正確で鮮やか
- しっかりとまとまる
- 両面へのプリントが出来る
紙扇子は布製の物と違い、面に表現したプリントが鮮やかな色になります。
これは紙の上に塗る形でデザインを再現する紙扇子のメリットです。
紙扇子は面を閉じる際、しっかりといい音を立てて閉じることが出来ます。
一方で布扇子は、天の部分(真ん中の一番上)の締りが悪くなっています。
これは生地自体の厚さが影響しており、天は溜めが効かない状態になっております。天に溜めを生み出すよう生地を薄くすると、仰いだ時に紙に比べて風の勢いが弱くなります。
両面へのプリントが行えるのは紙のみなので、この点は紙扇子のメリットだと言えます。