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海外で登場する扇子

オーダーメイド名前入れ特注プリント扇子と言うと、日本やアジアのものという印象を強く抱かれているかもしれません。しかし、実は海を隔てたヨーロッパの文化にも扇子は根付いているのです。特にスペインでは現在でも人々の生活の中に浸透していると言います。

スペインのせんす

オーダーメイドプリント特注扇子は日本発祥の特注品ですが、江戸初期の南蛮貿易によってその文化は西洋まで伝わります。日本オリジナルのせんすは異国情緒的な品物として、上流階級の婦人方に珍重されます。ただし、乾燥した風土であるポルトガルやスペインでは、日本のように風で涼を得るという使い方は求められませんでした。オリエンタリズム薫る服飾品として女性達の間で流行し、大量に製作されます。

【絢爛豪華な洋扇子】
激安名前入れ扇子は「要」の部分が命。要の部分を持って一気に開いてしまうやり方は、あまりに無造作です。要は激安プリント扇子の根本の部分を指します。金属やプラスチック、クジラ髭などで骨が束ねられています。この部位が壊れてしまうと、扇ぐ用をなさなくなってしまうので、本来は最も大切に扱われるべき特注パーツなのです。また、オリジナル印刷のある扇面の紙も触れてはなりません。
【社交界の華】
当然、現代のように激安オーダーメイド価格で通販のように流通しているはずもなく、非常に高価な代物でした。よって、わざと「名前入れの扇子を置き忘れる」ことで貴婦人達は男性の気をひいたそうです。当時盛んに行われていた舞踏会で、付添い人の目を逃れる知恵ですね。
【スペイン以外はインテリアとして】
このように、実際に携帯して使うというのは、実は西洋ではスペインだけでした。格安・激安で入手することなど到底不可能な高級品であったことから、諸外国ではインテリア品としてオーダー特注プリントされるのみであったそうです。
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